公務員で獲得したスキル ①ー2
前回エントリーで、課題分析/遂行能力とは
- 現状を把握すること
- 目標達成までの道筋を立てること
- その道筋の途中で解決すべき課題を明らかにすること
- 課題の解決方法を明らかにすること
- 実際に課題を解決し目標を達成すること
と書きました。
私が経験した仕事と絡めて、詳しく書きます〜。
超超困難案件を担当
初異動後の二つ目の職場で、約20年間も“塩漬け”になっているプロジェクトを任されることになりました。
任されることになった経緯は、完全に運…巡り合わせでした。
そもそも、「何故20年間も凍結状態のプロジェクトが存在するのか?」という疑問をお持ちになるかと思いますが、その辺りはまた別の機会に書きます。
が、一言で言うと、公務員特有の「責任を問われない人事形態」が背景にあります。
さて、完全に運で任されたとは言え、前任者や前々任者、そのまた前々々任者のように、凍結状態のままプロジェクトを動かさずにいることも出来ました。動かさずに放置しておけば自分の仕事は増えないで済みますので、それも選択できたのです…。
しかし、私は「評価されたい!オリジナルな仕事をして実績を上げたい!」という気持ちが強かったため、「ラッキー!!」とばかりに、この超超困難案件に手をつけました。
1.現状を把握すること
まずは、20年間放置されたプロジェクトがどのような状況なのか、把握するところからスタートです。放置されていたため、庁内には現状を掌握している職員はもちろんおらず、聞き込みや資料調査を行いました。
2.目標達成までの道筋を立てること
現状が把握できたら、目標の設定を庁内で協議します。
もちろん、重たい案件のため、自分や近い担当部署だけでは決められないため、色々な部署やそれこそ首長の意向も重要となります。
3.その道筋の途中で解決すべき課題を明らかにすること
目標設定の協議と並行し、現状把握をもとに課題を明らかにします。
課題自体が目標設定に影響を与えることもありますので、ここら辺は適宜順序が入れ替わる感じですね。
ここで重要なのは「解決が、プロジェクト完遂の必要条件ではない課題」が存在することです。
完璧主義でいると、「あれもこれも解決すべき」→「プロジェクト完遂までの道のりが長くなる」という自縄自縛的な展開に陥りかねません。
「これは解決すべき課題だけど、とりあえず◯◯を達成してからでも良い」などと、何がボトルネックになっているかを考えることが重要だと思います。逆に言えば、ボトルネックになっていない緊急度の低い課題は後回して良いのです。
また、このフェーズで「この課題は解決が必須条件!」と結論づけるのではなく、「仮説」と捉えた方が、後々動きやすいことが多いですね!
実際に取り組む4、5での状況をフィードバックして随時更新していくのが理想です。
いわゆるPDCAのPにあたる部分です。D(Do)とC(Check)次第でA(Action)の内容はいくらでも変わるのと一緒です。
ただ、役所の中ではこのようなやり方は「見切り発車」的な見られ方をするため、敬遠されがちなのです...。一度関係部署と協議して合意形成されたP(Plan)を変更するのは結構骨の折れる作業です。
「失敗が許されない」と考える役所が悪いのか、役所の失敗を許さない世論が悪いのか..鶏が先か、卵が先かの因果性ジレンマですね(苦笑)
さて次!
4.課題の解決方法を明らかにすること
5.実際に課題を解決し目標を達成すること
この4、5は、3で「解決すべき課題」に“認定”された課題に対して愚直かつ情熱を持ってひたすら没入し取り組むフェーズですね。
一点集中/没入型の私自身は、このフェーズが一番楽しくて好きですw
前述のように、このフェーズでは3で立てた仮説を検証します。
こんな形でプロジェクトをまるっと廻す経験ができたのは、非常に大きな財産だったと思っています。
このフレームワークは公務員もベンチャー営業もクリエイターも、皆同じなんじゃないかなーと。
以上、得られたスキル ① 課題分析/遂行能力 でした!!